支部長挨拶
日本農芸化学会関西支部会員の皆さま
拝啓
会員の皆さまにおかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます.この度,支部長ならびに副支部長,幹事が「支部役員」の項に記載のように交代いたしましたので,ご挨拶とご報告を申し上げます.
大正13(1924)年7月1日に設立された日本農芸化学会は,来年度で100周年を迎えます.また,同会の最初の支部として昭和9(1934)年5月20日に創立され関西支部は,来年度に90周年を迎えます.創立総会とともに京都大学楽友会館で開催された第1回講演会以来,世界恐慌や第2次世界大戦,学園紛争や大震災などさまざまな困難にもかかわらず,支部例会は途絶えることなく開催されて来ました.しかしながら,2020年1月28日に新型コロナウイルス(COVID-19)を「指定感染病」とする閣議がなされて以降,日本農芸化学会2020年度大会(福岡)は中止,2021年度大会(仙台),2022年度大会(京都)そして2023年度大会(広島)はオンライン(一部、ハイブリッド)で開催されることになりました.支部活動もその影響を受けて,2020年度(宮川支部長)の京都府大,大阪府大の例会そして支部大会(龍谷大)は中止され,神戸大,京大の例会はオンラインで実施されました.2021~2022年度(入江支部長)には,全ての例会がオンライン(またはハイブリッド),2021年度の西日本・中四国・関西支部合同大会そして2022年度の支部大会(龍谷大)がオンラインで開催されました.2023年5月8日にCOVID-19の感染法上の位置づけが5類に移行することに伴い,法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから,個人の選択を尊重し,国民の皆様の自主的な取組をベースとした対応に変わりました.これを受けて,今年度の支部活動は対面を基本とする従来の方向で進めようとしております.本支部は年5回の例会を開催しています.この例会では研究領域,所属,世代の異なる研究者が一堂に会し,規模の大きな年次大会とは異なる横断的な交流の場となっています.対面での発表を初めて経験する学生は緊張するでしょうが大きな刺激を受け取るでしょう.また,懇親の場を通して,産官学の広い世代の会員の皆さま方も交流を深めていただくことが出来ます.人類が地球の地質や生態系に重大な影響を与えつつある人新世の時代の問題解決に,農芸化学は大きな役割を担うと期待されます.関西支部としてもこの大きな目標に向けて,会員の皆さまの発展と農芸化学の普及をめざす活動を活発化していきたいと考えます.新執行部では,これらの活動の継続と産学の交流の推進に微力ながら努力する所存です.皆さまの積極的なご参加をお願い申し上げます.
敬具
公益社団法人 日本農芸化学会関西支部 支部長 森 直樹
支部のますますの活性化のため,皆さまの忌憚のないご意見を執行部までお寄せいただければ幸いに存じます.